テレビアンテナの強電界地域と弱電界地域とは?その特徴や影響について解説

スカイツリー

テレビアンテナについて調べていて「強電界地域」や「弱電界地域」という言葉を目にしたことはありませんか。
実は、テレビアンテナ工事を行う場合、電界の強弱によって、テレビアンテナの種類や設置方法、工事費用などが大きく変わる可能性があるため、設置する地域の「電界」について知っておくことはとても重要です。
しかし、そのことを知らずに業者にいわれるがままテレビアンテナ工事を行ってしまい、テレビ映りに不具合が発生しているご家庭も少なくありません。
ここでは、テレビアンテナの強電界地域と弱電界地域それぞれの特徴と、ご自宅周辺の電波強度の自分でできる調べ方について具体的に解説します。
これからアンテナ工事を予定している方や、電界について知りたい方、テレビ映りが悪くて困っている方は、参考になさってください。

テレビアンテナの強電界地域や弱電界地域とは?

電界地域

テレビアンテナにおける強電界地域や弱電界地域は、どちらもその地域の電界の強さを表す指標です。
また、強電界地域と弱電界地域の間となる、中電界地域も存在しています。
プロのアンテナ専門業者ほどこの指標を重視しており、アンテナ工事を始める前に必ず専用機器を用いて電界強度を測定します。
ここでは、この電界強度や、電界地域の区分けについて解説します。

電界強度とは?

電界強度とは、その地域に届いているテレビ電波の強さのことです。
テレビ放送は、放送局が作成した番組を電波に変換し、近隣の電波塔から自宅のアンテナへ電波が届く仕組みになっています。
しかし、電波塔の距離が遠い場合や、間に高い建物などの障害物があると、電波強度が弱まり、テレビの映りが悪くなります。
そのため、テレビをストレスなく綺麗にみるためには、この電波強度を測定した上で、強度にあったアンテナや設置場所を設定する必要があります。

電界地域とは?

電界地域とは、どのくらいの強さの電波が届いているかを示す言葉で、「強電界地域」「中電界地域」「弱電界地域」の3種類に分かれています。
この電界地域は、電波の強さの単位であるdB(デシベル)で分けられており、強電界地域は80dB以上、中電界地域は60db以上、弱電界地域は60db以下の地域と定義されています。
弱電海地域となると、テレビの受信が難しくなるため、アンテナの種類や設置場所が限られてきます。
特に、電波塔から距離が遠い場所、離島や山間部などの地域では弱電解地域となる傾向が強いです。
しっかりとテレビを受信するためにも、自分の地域がどの区分であるのかは調べておきましょう。

強電界地域のメリット・デメリット

メリットデメリット

強電界地域は、強いテレビ電波が受信できる地域です。
テレビ視聴にはもちろん電波の強い場所がようですが、電波が電波が強すぎてしまうとかえってデメリットとなることもあります。
こちらでは、強電界地域のメリット・デメリットについて解説していきます。

強電界地域のメリット

まず、強電界地域は、電波状況の良い地域である点がメリットです。
そのため、好きな種類のアンテナを選ぶことができ、設置場所も自由に選択することができます。
従来のように屋根の上に設置するだけでなく、外壁や屋根裏といった家の景観に影響を与えない場所にも設置が可能です。
このような場所に設置することで、景観以外にも自然災害からアンテナの故障を防ぎ、アンテナを長持ちさせることもできます。
また、室内アンテナのような工事が不要で、安価なアンテナが設置できる可能性も高い地域です。
室内アンテナは設置できる地域が限られるアンテナですが、強電界地域であれば試してみる価値があるかもしれません。

強電界地域のデメリット

では、反対に強電界地域のデメリットについて解説していきます。
実は、テレビ電波塔や送信所が近すぎると、電波が強すぎてテレビがうまく映らないことがあります。
受信する電波量が多すぎるとテレビが処理できずに、ノイズとなってしまいます。
このような場合はアッテネーター(減衰器)を使用し、電波を適切なレベルまで下げる必要があります。
テレビ本体にアッテネーター機能がある場合もありますが、もしない場合はアッテネーターを取り付ける工事が必要です。
電波が強すぎるとかえって、余計な工事が必要になる可能性がある点は、強電界地域のデメリットです。

弱電界地域のメリット・デメリット

一方で、弱電海地域は、テレビの受信が難しい地域です。
そのため、従来は選択できるアンテナも少なく、アンテナで受信できない場合はケーブルテレビでしかテレビの視聴ができませんでした。
しかし近年では技術が進み、受信性能の良いアンテナや周辺機器が登場したため、徐々に電波が届かないという問題は解決しつつあります。
では、弱電海地域のメリットやデメリットについて解説していきます。

弱電界地域のメリット

弱電界地域では、妨害電波を受けにくい点がメリットとなります。
近年は様々電波が日本中を飛んでいるため、その電波がテレビ電波に干渉してしまい、テレビの映りが悪くなることがあります。
その点、弱電界地域は電波の干渉が少ない分、ノイズ等の乱れが少なくなります。
また、弱電界地域の多い離島や山間部では、周辺に邪魔をする建物が少ないため、衛星放送等の電波を受信しやすい点もメリットです。
ただし、山間部では森林などが電波を妨げるため注意が必要です。

弱電界地域のデメリット

弱電界地域ではテレビの視聴方法が限られてしまう点が大きなデメリットです。
技術の進歩により、選ぶことのできるアンテナも増えてきましたが、まだ日本全国すべての地域で解決できているわけではありません。
そのため、思い描く理想的なアンテナを設置できない場合があります。
アンテナ設置をする場合は、業者とよく相談して最も快適なテレビの視聴方法を選ぶことが大切です。

強電界地域・弱電界地域の調べ方

調べる_イメージ

では、実際に住んでいる地域の電界強度を調べ方について説明をしていきます。
本来は専門業者に依頼するのが最も正確ですが、自分でもできる方法について解説します。
これからアンテナ工事を依頼するときの一つの目安としてください。

近所のアンテナから調べる

最も簡単な方法は、周りの建物のアンテナの種類をチェックすることです。
近所であれば極端に電界強度が変わることもないため、近所の住宅が使用しているアンテナは十分参考になります。
強電界地域であれば、最も一般的な八木式アンテナやデザインアンテナ、ユニコーンアンテナなど様々なアンテナが設置されていることが多いです。。
弱電界地域であれば、八木式アンテナしか設置されていないなどの特徴があります。

電波塔の位置から推測する

電波塔の位置からも電界強度を調べることができます。
電波塔がどれかわかりにくいこともあるため、「A-PAB」や「地デジアンテナ調整アプリ」を使ってみるとよいでしょう。

A-PUBとは「一般社団法人 放送サービス高度化推進協会」のことで、公式サイトでは都道府県や郵便番号などを入力することで、自宅周辺の発信所を調べることができます。
表示されたアンテナを選択してクリックすると、どこの地域まで対応しているかマップに表示されます。

また地デジアンテナ調整アプリはスマートフォンやパソコンにインストールすることで、近くの電波塔の位置を把握することができます。

これらの情報を参考に自宅の電界強度はある程度推測することが可能です。

レベルチェッカーでの計測

もしレベルチェッカーを持っている場合は、使用して電界強度を調べる方法が最も正確です。
レベルチェッカーは電波の強さを測定する専用機器のことで、アンテナ専門業者はこの機器を使用して電界強度を調べています。
ただし、このレベルチェッカーは約4万円ほどの価格であるため、購入するのはあまりおススメできません。
1万円ほどの安価なものもありますが、精度が高くないため、間違えた判断をしてしまう可能性があります。
レベルチェッカーでないと不安がある場合は、アンテナ専門業者に相談してみる方がよいでしょう。

電界地域に合わせたおすすめのアンテナ

アンテナ選び方

では、強電界地域、弱電海地域それぞれにおすすめのアンテナを紹介していきます。
強電界地域は、基本的にはどのようなアンテナでも設置することができるため、気に入ったアンテナ工事を依頼して問題ありません。
自宅の外観や好みに合わせて選択しましょう。
弱電海地域はアンテナの選択肢が限られますので、電波がしっかり届くのかを確認して選んでください。

 種類 強電界地域 弱電界地域
八木式アンテナ
デザインアンテナ
ユニコーンアンテナ
室内アンテナ ×

八木式アンテナ

八木式アンテナ

八木式アンテナは、魚の骨のような形が特徴のアンテナです。
アナログテレビ時代から広く普及しており、アナログ放送時代はVHFアンテナ、デジタル放送ではUHFアンテナと呼ばれています。
電波の受信精度が高く、電波が届きにくいところでも電波を拾うことができる性能がメリットです。
そのため、現在でも多くの家庭で使用されており、比較的安価で設置することができる点も大きなメリットです。

 工事内容 工事相場
八木式アンテナ本体 約\2,000~\10,000
八木式アンテナ新規設置 約\16,000~\35,000
八木式アンテナ交換 約\15,000~\30,000

八木式アンテナを設置しようとすると、本体の価格を含めて平均で約¥35,000ほどかかるようです。
業者によってかなりばらつきがあるため、設置する際にはいくつかの業者で見積もりを取ってから依頼するとよいでしょう。

デザインアンテナ

デザインアンテナ

デザインアンテナは2012年頃から普及し始めたアンテナです。八木式アンテナとは違い、薄型でデザイン性の高い形をしており、家の外観を損なわずに設置することができます。

メーカーからも様々なデザインで販売されており、非常に人気を集めています。
価格は八木式アンテナよりも高額ですが、外壁や屋根裏、ベランダに取り付けることができるため、取り付け方法が比較的簡単です。

しかし電波受信をするための角度の調整が難しく、取り付ける場所によっては電波の受信感度が低く、事前にしっかりと電波状況を確認した上で設置する必要があります。
そのため、デザインアンテナでは受信ができない場所も存在します。

 工事内容 工事相場
デザインアンテナ本体 約\5,000~\12,000
デザインアンテナ新規設置 約\22,000~\40,000
デザインアンテナ交換 約\20,000~\35,000

デザインアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥40,000ほどかかるようです。
八木式アンテナよりも\5,000程度高くなるイメージを持っておくとよいでしょう。

ユニコーンアンテナ

ユニコーンアンテナ
参考:楽天市場

これまでは上記の八木式アンテナやデザインアンテナが主流でしたが、最近ではユニコーンアンテナと呼ばれるアンテナも登場しています。

ユニコーンアンテナは八木式アンテナと同程度の受信精度があり、デザインアンテナのようなスタイリッシュさもあるため、双方のいいとこどりをしたアンテナです。
しかし、設置するための金額が他のアンテナに比べると高額となっています。

これからますます需要が多くなると考えられるアンテナです。

 工事内容 工事相場
ユニコーンアンテナ本体 約\6,000~\12,000
ユニコーンアンテナ新規設置 約\30,000~\50,000
ユニコーンアンテナ交換 約\25,000~\40,000

ユニコーンアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥45,000ほどかかるようです。
本体の価格はデザインアンテナとほとんど変わりませんが、工賃が高額になってしまうようです。

室内アンテナ

室内アンテナ

室内アンテナは工事の必要がないため、本体価格のみで設置ができます。安いものであれば¥1,500程度のものから、\10,000を超える価格のアンテナもあります。
一般的なものであれば\3,000~\5,000で購入することができるようです。
価格は主に性能によって異なっており、ブースター機能が内蔵されているものや、受信感度が高いものであれば金額は高額になります。
形や大きさも様々な種類があるため、家電量販店や通販サイトで確認してみてください。

 工事内容 工事相場
室内アンテナ 約\1,000~\7,000

まとめ

ここまで電界地域について解説をしてきました。
テレビを見るためには、この電界地域は非常に重要な要素となります。
自分が住んでいる地域がどれくらいの強度であるのか、事前に調べた上でアンテナの設置を行うと良いでしょう。
ただし、電波の強さはビルや樹木などの高いものからも影響を受けます。
一度専門業者に相談してみることで、どのアンテナが良いのかアドバイスをもらえますので、一度連絡してみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です