日本のテレビ普及率は90%を超えているとされ、多くの人々がテレビに慣れ親しんでします。
テレビを受信するには、テレビアンテナが必要となりますが、多くのアンテナは屋外に設置されており、天候や経年劣化によって故障や破損のリスクがあります。
アンテナに不具合が発生すると、テレビの映りが悪い、映らないといった事態にもなるため、修理の相場や、新しくアンテナを立て直す費用を把握しておくことは重要です。
今回こちらの記事では、テレビアンテナに関わる費用について紹介をしていきます。
業者によって相場にはばらつきがありますが、あくまで一つの参考として確認してみてください。
目次
アンテナの仕組み

まずアンテナの仕組みについて知っておきましょう。
テレビアンテナは、電磁波の受信から信号処理、画面表示、音声出力までの一連のプロセスを通して映像と音声を提供する役割を持っています。
テレビアンテナには、周囲に存在している電波を受信するための金属棒や金属板があり、この金属を通して電波をとらえています。
電波を受信すると、電波をアンテナ内部の回路に流し、回路が電話の周波数や振幅を変換して、受信信号として受け取ります。
この受信信号をケーブルを通してテレビ等の機器に送信し、さらにテレビ内で信号を処理して画像や音声に変換することで、テレビ番組や映画などの映像を楽しむことができるようになります。
そのため、アンテナに何か不具合があると映像や音楽を楽しむことができません。
例えば、テレビ画面にエラー「E202」といった数値が表示されたことはないでしょうか?これは、テレビ電波が受信できないという状態を表しています。多くの場合は、アンテナに何か不具合が原因と考えられますので、アンテナに何か以上があったのではと考えましょう。
特に自宅にあるテレビアンテナは天候の影響を受けやすくなっています。
悪天候の影響でテレビが映らないこともありますが、雨風を受けて一部が曲がったり破損したり、雷に打たれてしまうといったことも考えられます。
天候が回復してもまだテレビが映らない、映りがわるい場合にはアンテナに破損などのダメージがある場合が多いため、一度業者等に確認をしてもらいましょう。
テレビアンテナの設置費用について
まずはアンテナの設置に関わる費用について解説をしていきます。
業者やアンテナによって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。
八木式アンテナ

八木式アンテナは、魚の骨のような形が特徴のアンテナです。
アナログテレビ時代から広く普及しており、アナログ放送時代はVHFアンテナ、デジタル放送ではUHFアンテナと呼ばれています。
電波の受信精度が高く、電波が届きにくいところでも電波を拾うことができる性能がメリットです。
そのため、現在でも多くの家庭で使用されており、比較的安価で設置することができる点も大きなメリットです。
八木式アンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒八木式アンテナを紹介!最も受信精度の高いアンテナについて詳しく解説
内容 | 費用相場 |
八木式アンテナ本体 | 約¥2,000~\10,000 |
八木式アンテナ新規設置 | 約\16,000~\35,000 |
八木式アンテナ交換 | 約\15,000~\30,000 |
八木式アンテナを設置しようとすると、本体の価格を含めて平均で約¥35,000ほどかかるようです。
業者によってかなりばらつきがあるため、設置する際にはいくつかの業者で見積もりを取ってから依頼するとよいでしょう。
デザインアンテナ

デザインアンテナは2012年頃から普及し始めたアンテナです。八木式アンテナとは違い、薄型でデザイン性の高い形をしており、家の外観を損なわずに設置することができます。
メーカーからも様々なデザインで販売されており、非常に人気を集めています。
価格は八木式アンテナよりも高額ですが、外壁や屋根裏、ベランダに取り付けることができるため、取り付け方法が比較的簡単です。
しかし電波受信をするための角度の調整が難しく、取り付ける場所によっては電波の受信感度が低く、事前にしっかりと電波状況を確認した上で設置する必要があります。
そのため、デザインアンテナでは受信ができない場所も存在します。
デザインアンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒デザインアンテナを紹介!スタイリッシュでおしゃれな最新アンテナとは
内容 | 費用相場 |
デザインアンテナ本体 | 約\5,000~\12,000 |
デザインアンテナ新規設置 | 約\22,000~\40,000 |
デザインアンテナ交換 | 約\20,000~\35,000 |
デザインアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥40,000ほどかかるようです。
八木式アンテナよりも\5,000程度高くなるイメージを持っておくとよいでしょう。
室内アンテナ

室内アンテナは工事の必要がないため、本体価格のみで設置ができます。安いものであれば¥1,000程度のものから、\10,000を超える価格のアンテナもあります。
一般的なものであれば\3,000~\5,000で購入することができるようです。
価格は主に性能によって異なっており、ブースター機能が内蔵されているものや、受信感度が高いものであれば金額は高額になります。
形や大きさも様々な種類があるため、家電量販店や通販サイトで確認してみてください。
室内アンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒室内アンテナとは?コンパクトで工事が不要なアンテナを詳しく解説
内容 | 費用相場 |
室内アンテナ本体 | 約\1,000~\7,000 |
ユニコーンアンテナ

これまでは上記の八木式アンテナやデザインアンテナが主流でしたが、最近ではユニコーンアンテナと呼ばれるアンテナも登場しています。
ユニコーンアンテナは八木式アンテナと同程度の受信精度があり、デザインアンテナのようなスタイリッシュさもあるため、双方のいいとこどりをしたアンテナです。
しかし、設置するための金額が他のアンテナに比べると高額となっています。
これからますます需要が多くなると考えられるアンテナです。
ユニコーンアンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒ユニコーンアンテナを紹介!デザインと受信力を兼ね備えた最新アンテナ
内容 | 費用相場 |
ユニコーンアンテナ本体 | 約\6,000~\12,000 |
ユニコーンアンテナ新規設置 | 約\30,000~\50,000 |
ユニコーンアンテナ交換 | 約\25,000~\40,000 |
ユニコーンアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥45,000ほどかかるようです。
本体の価格はデザインアンテナとほとんど変わりませんが、工賃が高額になってしまうようです。
BS/CSアンテナ

地上波デジタル放送ではありませんが、BS/CS放送を見るためには専用のアンテナが必要となります。
こちらでは、BS/CSアンテナの設置相場についても紹介していきます。
CSは通信衛星、BSは放送衛星を表しており、元々分離していた両者が統合されたアンテナです。
BS/CS放送はデジタル放送と周波数・波長が異なっているため、受信するためには専用のアンテナを設置する必要があります。
デジタル放送を受信するアンテナと同時に設置や交換の依頼をすることも可能です。
通常のテレビ放送を見るだけであれば必要なく、より多くのチャンネルを見る際に必要となります。
BS/CSアンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒BS/CS放送に必要なアンテナとは?工事費用とともに詳しく解説!
内容 | 費用相場 |
BS/CSアンテナ本体 | 約\5,000 |
BS/CSアンテナ新規設置 | 約\20,000~\50,000 |
BS/CSアンテナ交換 | 約\15,000 |
BS/CSアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥45,000ほどかかるようです。
他のアンテナと同時に依頼をすることもできるため、その場合は工賃を抑えることができます。
4K/8Kアンテナ

4K/8Kアンテナは、BS/CSアンテナと同様に、衛星放送を受信することができるアンテナです。BS/CS放送よりもより高画質で臨場感のある4K/8K放送を受信することができます。
また、これまでのBS/CSアンテナでは受信できなかった番組を見ることができ、より多くの放送を楽しむことができます。
4K/8Kアンテナは、本体の価格を含めて平均で約¥48,000ほどで、他のアンテナとすると比較的高額な工賃が必要です。
また、4K/8Kアンテナも他のアンテナと同時に依頼をすることができます。
4K/8Kアンテナについては以下の記事も参考にしてください。
⇒4K8K放送とは?高画質で臨場感のある映像が見れる最新放送について詳しく解説
内容 | 費用相場 |
4K/8Kアンテナ本体 | 約\6,000~\13,000 |
4K/8Kアンテナ新規設置 | 約\30,000~\65,000 |
4K/8Kアンテナ交換 | 約\17,000 |
アンテナ修理が必要な場面と費用について

では次に、アンテナの修理が必要な場面と、その場面で掛かる費用について解説をしていきます。
アンテナ業者やアンテナによって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。
アンテナ自体の破損や倒壊
まずはアンテナ自体が破損してしまった、倒壊してしまった場合が考えられます。
アンテナは屋根に建っていることが多く、雨風や雪の重み、鳥の止まり木となって破損や倒壊をしてしまうことがあります。
アンテナが倒れているだけであれば、立て直して再度使用できますが、アンテナが破損している場合には交換する必要があります。
交換となると、やはり立て直しよりも費用は掛かるため、あらかじめ準備をしておいた方がいいでしょう。
内容 | 費用相場 |
アンテナの立て直し | 約\10,000~\25,000 |
アンテナの向きのズレ
アンテナの向きがズレてしまった場合でも、正しく受信が出来なくなってしまい、テレビが正常に映らない可能性があります。
強風で向きが変わり、映りが悪くなることがありますので、もし映りが解消しない場合には専門業者へ相談をしてみましょう。
向きの修正は自分自身で修正することは可能ですが、アンテナは高所にあるため危険が伴います。また、たった数ミリで電波の受信状況は変わってしまうため、業者に専門の機器を使って微調整を任せた方が安心です。
アンテナの向きについては以下の記事も参考にしてください。
⇒アンテナの正しい向きはどの方角?向きの調整方法を解説します
内容 | 費用相場 |
アンテナの向き調整 | 約\5,000~\15,000 |
エラーコード「E201」「E202」
テレビが映らないとき、エラーコード「E201」や「E202」が表示された経験はないでしょうか。
このエラーコードが出ていると、電波のアンテナレベルが(受信レベル)が低い、もしくはまったく電波が届いていない時に表示がされます。
エラーコードが出る原因は様々ありますが、アンテナが原因になっていることもあります。
アンテナに原因がある可能性が高い場合は、一度業者に相談してみましょう。
エラーコードについては以下の記事も参考にしてください。
⇒テレビ表示されるエラーコードエラーにはどんな種類があるのか?原因から対処法まで徹底解説
⇒エラーE202はどうすればいいの?テレビが映らないときの対処法について解説
ブースターの追加や交換
直接アンテナを修理するのではなく、周辺機器のブースターの影響よってテレビが映らない可能性も考えられます。
ブースターはテレビ電波を増幅させる機器のことであり、電波が微弱の時に使用されます。
ブースターも屋外に設置されていることが多く、破損や劣化をする可能性は大いにあります。そのため、ブースターの交換や、テレビの映りが悪い時には、ブースターの追加も火可能性として考えておきましょう。
ブースターについては以下の記事も参考にしてください。
⇒アンテナのブースターとは何か?設置方法や選ぶポイントについて詳しく解説
内容 | 費用相場 |
ブースターの追加 | 約\15,000~\30,000 |
今はアンテナのメンテナンスが必要な時期!?
さてここまで、アンテナに関わる費用について解説をしてきましたが、これからアンテナのメンテナンスが必要になる時期であるということをご存じでしょうか?
これはアンテナの寿命が関係しています。
アンテナの寿命は10年~15年と一般的に言われています。
しかし、多くの家庭では10年ピッタリで交換することは少なく、テレビの映りが悪くなったり、破損が確認されたときに交換やメンテナンスを検討すると思います。
多くのアンテナは頑丈なつくりをしているため、10年過ぎても問題なくテレビを見続けられることは多くあります。
しかし、知らず知らずのうちに劣化が進み、いつの間にか故障してしまうということも考えられます。
その中で、今多くの家庭でアンテナ設置から10年以上確実に経過しているタイミングと言えます。
それはデジタル放送への移行から10年以上経過したタイミングであるからです。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
その際、ほとんどの家屋でアンテナの交換工事が行われました。
そのため、メンテナンスをしていなければ、2023年現在ではアンテナを交換してから10年以上は経過していることになります。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、知らず知らずのうちにアンテナや周辺がサビ付いていたり、雨風や雪で劣化している可能性は十分に考えられます。
万が一アンテナが折れて屋根から落ちてきてしまい、壁に傷をつけてしまった、人にぶつかってしまった、ということがあってしまっては大変です。
そのため、ほとんどの家庭で10年以上経過した今だからこそ、しっかりと点検してもらうことをおすすめします。
点検のみであれば大きな金額はかかりませんので、ぜひ安全のためにも一度依頼をしてみましょう。
まとめ
さて、アンテナ交換や設置に掛かる費用について紹介をしてきました。
相場を見てみると、業者によって大きくばらつきがあるため、まずは複数社から見積もりをとることが大切です。
デジタル放送へ移行してから10年以上が経過し、多くの住宅でアンテナのメンテナンスが必要になってきています。
普段あまり意識することが少ない場所ですので、これを機にぜひ専門業者へ点検を依頼してみましょう。
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