近年では通常のテレビ放送に加え、衛星放送などが登場し、様々な番組をテレビで楽しめるようになりました。
その中でもBS/CS放送は通常の民間放送に加えて、より多くの番組を手軽に楽しむことができるため、導入する世帯も多くなっております。
しかし、BS/CS放送は衛星放送のため、視聴するには専用のアンテナを取り付ける必要があります。
せっかくBS/CS放送を楽しみたい方でも、アンテナ設置にどれくらいの費用が掛かるのか、アンテナをどこに設置するのかは気になる点であると思います。
今回こちらの記事では、BS/CSアンテナに焦点を当てて、詳しく解説をしていきます。
これから新しく設置を検討している方、受信する放送を検討している方、アンテナのメンテナンスを考えている方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
目次
BS/CS放送は衛星放送のひとつ!

まずBS放送、CS放送とはどのようなものかを説明していきましょう。
テレビ放送には、地上波放送と衛星放送の2種類があります。
地上波放送は、放送局から発信された電波を電波塔などを経由して、家庭にテレビ放送を届ける放送で、普段私たちが見ているテレビ放送の仕組みです。
一方で衛星放送は、上空約36,000kmにある人工衛星から家庭に向けて電波を送っています。
人工衛星から電波を送ることで、効率よく広範囲に放送ができ、災害や建物の、山などの地形の影響を受けることなく電波を届けることができます。
また、地上波放送に比べると画質がクリアで、高画質・高音質で映像を楽しむことができます。
地上波放送と比較すると、少し全体的にクオリティが高い放送といったイメージで良いかもしれません。
BS放送とCS放送の違いを解説
では、BS放送とCS放送は衛星放送という部分では共通していますが、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
BS放送
BS放送は、正式には「Broadcasting Satellite」、直訳すると「放送衛星」となり、元もと一般向けのテレビを放映するために作られた衛星です。
細かい点では、BS放送では東経110°にある放送衛星を使用しています。
BS放送は元々テレビ放送を目的としており、地上波放送を流しているテレビ局が提供する番組が多いため、放送内容も似通っている番組が多く目立ちます。
またBS放送を受信するにはでは一部放送が有料となりますが、ほとんどの番組は無料で見ることができます。
有料放送としては、「NHK BS」「WOWOW」「スターチャンネル」などがあり、視聴するためには契約が必要になります。
CS放送
一方で、CS放送は「Communications Satellite」、直訳すると「通信衛星」となり、開発当初は通信が目的で、専門業者や企業向けに情報を届けるための衛星として作られました。
しかし、現在は通信ではなく、我々一般向けの放送をする衛星となっています。
細かい点では、CS放送では東経110°、124°、128°の方角にある通信衛星を使用しています。
番組内容はBS放送に比べるとチャンネル数も多く、専門性の高い番組を数多く放送しています。
そのため、CS放送は有料となっており、「スカパー!」への加入が必須となります。
基本プランは3,960円(2023年5月現在)で、多くのチャンネルをCMなしで楽しむことが可能です。
また、毎月第一日曜日はスカパーを無料で見ることができるため、検討する際のお試しとして番組を見ることができます。
BS/CSアンテナの特徴とは

BS/CS放送を受信するためには、専用のアンテナが必要です。
BS/CSアンテナは、次のような特徴を持っています。
受信周波数帯域
BS/CS放送は、地上波放送とは異なる周波数帯域を使用しています。
BS放送は11~14GHzのKuバンド、CS放送は3.4~4.2GHzのCバンドと呼ばれる周波数帯域を利用しています。
BS/CSアンテナは、これらの周波数帯域の信号を受信することで放送を可能としています。
直径と形状
BS/CSアンテナは円盤型の形をしたパラボラアンテナが多く採用されています。
アンテナの形状は受信の速度や強度に影響があるため、最も効率的なパラボラアンテナが多く採用されているようです。
また、直系の大きさも受信の強さに関係しており、一般的にアンテナの直径が大きいほど、より強力な信号を受信できます。
屋外につける場合には、外観など考慮した形を検討するとよいでしょう。
受信指向性
BS/CSアンテナは、特定の衛星からの信号を受信するため、受信指向性を持っています。先ほども触れたように、BS放送では東経110°、CS放送では東経110°、124°、128°の方角から受信しているため、設置時に正確に衛星の方向を向けなければなりません。
また、アンテナの設計とパラボラの焦点距離によっても異なってくるため、単に方向を向けるだけでなく、細かな調整が必要となります。
BS/CS放送のメリット3選

ではBS/CSにはどのようなメリットがあるのかをまとめておきましょう。
高品質な映像と音声
BS/CS放送は、地上波放送よりも高品質な映像と音声を楽しむことができます。
高解像度の映像やサラウンドサウンドなどにより、より没入感のある視聴体験を楽しむことが可能です。
多様なチャンネル
BS/CS放送は、地上波放送にプラスされた数多くのチャンネルと番組を提供しており、多様なエンターテイメントを楽しむことができます。ジャンルも非常に幅広く、映画、スポーツ、ドラマ、ニュースなど多岐にわたっています。
地理的な制約がない
地上波放送には地理的な制約があり、受信できる場所が限られますが、BS/CS放送は衛星を通じて信号を送信するため、広範なエリアで利用することができます。
山岳地域や遠隔地でも、放送を受信できる点は大きなメリットです。
BS/CS放送のアンテナ工事の相場はいくら?

ではBS/CS放送のアンテナの交換、設置の相場について解説をしていきます。業者やアンテナによって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。
BS/CS放送のアンテナ設置の相場
引っ越しや新しい家を建設したときなど、新しくアンテナを設置する際には、一から工事が必要となるため、交換よりも金額が高くなります。
内容 | 費用相場 |
BS/CSアンテナ本体価格 | 約\5,000 |
BS/CSアンテナ新規設置 | 約\20,000~\50,000 |
BS/CS放送のアンテナ交換の相場
一方でアンテナ劣化などによる交換工事の場合には、すでに設置してある土台を使っての工事となるため、必要な工事が少なく費用を抑えることができます。
新規設置に比べて、半額程度の値段で設置することができるようです。
内容 | 費用相場 |
BS/CSアンテナ交換 | 約\15,000 |
BS/CS放送のアンテナ修理の相場
交換ではなく修理が可能な場合は、さらに費用を抑えることができます。
金額は幅が広いため、いくつかの業者で見積もりを取って依頼するとよいでしょう。
内容 | 費用相場 |
アンテナの向き調整 | 約\5,000~\15,000 |
アンテナの立て直し | 約\10,000~\25,000 |
ブースターの追加 | 約\15,000~\30,000 |
分配・配線工事 | 約\10,000~ |
アンテナの撤去・処分 | 約\4,400~ |
BS/CSアンテナ設置後のメンテナンスはいつするの?
さてここまでBS/CS放送放送のアンテナについての紹介をしてきましたが、設置後のメンテナンスについても解説していきます。
BS/CS放送に限らずアンテナの寿命は一般的に約10年と言われています。
条件によっては10年以上問題なく使用できることもありますが、安全面や画質のことを考えると10年は一つの基準となります。
そして、これから寿命を迎えるアンテナが多くなる時期に入ります。
それはデジタル放送への移行から10年以上経過したタイミングであるからです。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
そのため、メンテナンスをしていなければ、アンテナを交換してから10年は経過していることになります。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、長年の雨風や雪、鳥などによる外部からの影響を受け、さび付いてしまったり、曲がってしまうなど、アンテナは多くのダメージを受けていることが多いです。
万が一、折れた屋根から落ちてきてしまい人にぶつかってしまったら大惨事になってしまいます。
アンテナは屋外に設置されていることが多く、普段の生活で目につくことはほとんどないため、アンテナの劣化にはなかなか気付くことができません。
そのため、ほとんどの家庭で10年以上経過した今だからこそ、しっかりと点検してもらうことをおすすめします。
BS/CS放送のアンテナを同時期に設置した方も多いと思いますので、ぜひこれを機にメンテナンスをしましょう。
特に、海に近い家庭の方は、潮風の影響によってサビやすくなっており、寿命がより短くなるとも言われています。そのため、海沿いの方は早急に点検することをおすすめします。
まとめ
さて、今回はBS/CS放送について、アンテナの相場と合わせて紹介をしてきました。
実はBS/CSアンテナの普及率は7割を超えているともいわれており、普段あまりテレビを見ない方でも実は設置をしていた、ということが考えられます。
デジタル放送が始まって10年以上が経過し、多くのアンテナが寿命を迎える時期になっているため、通常のアンテナに加えてこのタイミングで一度メンテナンスすることをおすすめします。
ただし、アンテナは屋根などの高所に設置されていることが多いため、無理して自分で確認せず専門業者へ依頼してください。無料で見積もりを行ってくれる業者もあるため、ぜひ連絡をしてみましょう。
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