テレビアンテナといえば、これまでは八木式アンテナと呼ばれる、魚の骨のような形をしたアンテナが主流でした。
しかし、近年はデザイン性の高さとコンパクトな形状から「デザインアンテナ」と呼ばれるアンテナが普及をしてきました。
デザインアンテナは多くの場合、外壁部分に設置するため風雨による、アンテナの倒壊や、屋根の形状によって設置できないといったデメリットを解消することが可能です。
こちらの記事では、このデザインアンテナについて詳しく紹介をしていきます。
これからアンテナ設置やアンテナ交換を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
オシャレな見た目で人気のデザインアンテナ

「デザインアンテナ」とは、地上デジタル放送を見るためのテレビアンテナです。平面アンテナやフラットアンテナとも呼ばれています。
従来のアンテナは機能性が重視されており、効率的な電波の送受信が主な目的でした。
しかし、デザインアンテナは機能性に加えて、建物の外観をよりスタイリッシュに見せることができるため、現在多くの家屋で導入が進んでいるアンテナです。
デザインアンテナは、従来の魚の骨のような形のアンテナではなく、縦60cm×横30cm×高さ20cmほどの箱形の作りをしています。
また、アンテナ本体のカラーもホワイトやブラウン、ブラックなどの種類があるため、外壁に合わせたカラーを選択することが可能です。
デザイン性に優れており、設置場所も壁面や屋内となるため、家屋の景観を損ねることなく電波を受信できる点が大きな特徴です。
デザインアンテナのメリット・デメリット
ではデザインアンテナのメリットデメリットについて見ていきましょう。
メリット

メリットとしては、以下のような点が挙げられます。
景観を壊さないデザイン性
デザインアンテナが選ばれる理由のほとんどが、まずそのデザイン性です。
従来のアンテナは、屋根の上に設置をするため、どうしても景観が気になってしまう点が難点でした。
しかし、デザインアンテナであれば外壁や屋内に設置するため、外観を大きく損なうことがありません。
自分の家屋をよりスタイリッシュに見せたいという方は多いと思いますので、デザインアンテナはそのニーズにしっかりと応えてくれます。
豊富なカラーバリエーション
デザインアンテナはその形や設置場所も特徴的ですが、カラーバリエーションも豊富にあります。
そのため、壁紙の色に合わせた設置が可能となり、一見するとどこにアンテナがあるのかわからないほど、家屋にマッチすることができます。
壁紙の色に合わせたり、屋根の色に合わせたりといった自由度も非常に高いため、選ぶときからワクワクすることができます。
耐久性
デザインアンテナは耐久性にも優れているアンテナです。
一般に広く普及している八木式アンテナは、屋根の上に立っているため、強風や雪などで折れてしまったり、倒れてしまう可能性があります。
その場合は、業者へ修理を依頼したり、自分で立て直す必要があります。
すると工賃や修理費がかかってしまい、自分で行う場合には危険が伴います。
しかし、デザインアンテナは外壁に設置し、屋根に立てて使うわけではないため、天候の影響を抑えることができます。
そのため、耐久性にも優れたアンテナと言えるでしょう。
設置や修理が簡単
設置や修理が簡単な点もデザインアンテナのメリットです。
従来のアンテナは先ほども記載しましたが、屋根の上に設置します。
そのため、業者に依頼しても危険が伴う作業となり、場合によっては余計な工賃がかかってしまったり、作業を断られてしまうケースもあります。
その点、デザインアンテナは設置を簡単に行うことができます。
また、従来のアンテナのような複雑な形はしておらず、シンプルなつくりであるた修理も比較的簡単に行うことができます。
デメリット

ここまでメリットを記載してきましたが、一方でデザインアンテナはどんなデメリットがあるのでしょうか。一つづつ解説をしていきます。
アンテナ本体の値段が高い
まず、アンテナ自体の値段は従来のアンテナと比較すると高額です。
一般的な八木式アンテナと比較すると、おおよそ\5,000~\10,000ほど金額は高くなります。決して小さくない金額ですので、設置をする際には、あらかじめ考慮しておきましょう。
電波環境や立地を選ぶ

デザインアンテナで電波を受信するには、受信面を電波塔方向に向くように設置する必要があります。
周りに住宅や障害物がなければ問題なく受信できますが、山岳地域での設置や大きな障害物が家屋の周りにある場合には、設置場所や向きが制限される場合があります。
まったく電波が届かないという場所は少なくなっておりますが、場合によっては理想と少し違った設置場所や、アンテナの向きになる可能性があります。
受信感度が弱い場合がある(壁面やベランダなど)
デザインアンテナは家の景観を壊さないデザインですが、その分電波をしっかりと受信するためには設置場所や向きに制限はあります。
そのため、設置をしても電波が弱く映りが悪い可能性や、従来のアンテナでしか受信できない環境である可能性も考えられます。
電波塔などの兼ね合いで、日本全国で強電波地域、弱電波地域はどうしても出てきてしまうため、事前に自分たちの地域の電波の強さをチェックしておくとよいでしょう。
⇒テレビアンテナの強電界地域と弱電界地域とは?その特徴や影響について解説
しかし、現在は技術の進歩や電波の改善により、以前に比べると受信環境は大きく改善されております。自宅周りの環境で難しいかもと諦めるのではなく、ぜひ一度専門業者に連絡をしてみましょう。
専用の受信機器を使って、電波状況をチェックしてくれるため、その結果をもって設置を検討してみるのもよいと思います。
デザインアンテナ工事相場は?

ではアンテナの交換、設置の相場について解説をしていきます。
業者やアンテナによって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。
デザインアンテナ設置の相場
デザインアンテナは上記でも記載したように、八木式アンテナと比べると金額が上がります。金額としてはおおよそ\5,000~\10,000ほど高くなるようです。
こちらはデザインアンテナの種類によっても変わりますので、アンテナの値段も合わせてチェックしておきましょう。
内容 | 費用相場 |
デザインアンテナ本体 | 約\5,000~\12,000 |
デザインアンテナ設置 | 約\22,000~\40,000 |
デザインアンテナ+ブースター | 約\40,000~\45,000 |
デザインアンテナ+BS/CSアンテナ | 約\40,000~\65,000 |
デザインアンテナ交換の相場
アンテナ劣化などによる交換工事の場合には、他のアンテナと同様に、すでに設置してある土台を使っての工事となるため、必要な工事が少なく費用を抑えることができます。
デザインアンテナは耐久性が高く、天候の影響を受けにくいため交換の機会は少ないかもしれませんが、想定以上の災害や、鳥などによって傷つけられてしまうケースは考えられます。
また、壁紙を変えたことによるデザインの変更や、新しい機種へ交換するケースもあると思いますので、相場はチェックしておきましょう。
内容 | 費用相場 |
デザインアンテナ交換 | 約\20,000~\35,000 |
デザインアンテナ修理の相場
交換せずとも、修理だけで対応が可能な場合は相場は割安です。
多くの業者で見積もりをとってくれるため、まずはいくらくらいの値段になるのか見積もりをとるようにしましょう。
外観からは故障がなかなか見えにくいアンテナですので、映りが悪い、受信をしないといった際には業者に見積もりを取ってもらいましょう。
内容 | 費用相場 |
アンテナの向き調整 | 約\5,000~\15,000 |
アンテナの立て直し | 約\10,000~\25,000 |
ブースターの追加 | 約\15,000~\30,000 |
分配・配線工事 | 約\10,000~ |
アンテナの撤去・処分 | 約\4,400~ |
アンテナのメンテナンスが必要な時期
さて、ここまでデザインアンテナの紹介をしてきました。
実は今の時期はアンテナ交換やメンテナンスには最適な時期であると言われています。
それは、アンテナの寿命と関係がしています。
アンテナの寿命は一般的に約10年と言われています。
条件によっては10年以上問題なく使用できることもありますが、安全面や画質のことを考えると10年は一つの基準となります。
そして、これから寿命を迎えるアンテナが多くなる時期に入ります。
それはデジタル放送への移行から10年以上経過したタイミングであるからです。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
そのため、メンテナンスをしていなければ、アンテナを交換してから10年は経過していることになります。
デザインアンテナは2009年ころから発売されたため、デジタル放送へ移行する際にデザインアンテナを設置された家庭もあると思います。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、知らず知らずのうちに劣化してしまい、いつの間にか故障してしまうといったケースも考えられます。
アンテナは屋外に設置されていることが多く、普段の生活で目につくことはほとんどないため、アンテナの劣化にはなかなか気付くことができません。
また、壁に設置されていることが多いデザインアンテナですので、いつの間にか壁との接触部分が劣化して落下してしまうケースもゼロではありません。
そのため、ほとんどの家庭で10年以上経過した今だからこそ、しっかりと点検してもらうことをおすすめします。
特に、海に近い家庭の方は、潮風の影響によってサビやすくなっており、寿命がより短くなるとも言われています。そのため、海沿いの方は早急に点検することをおすすめします。
まとめ
さて、デザインアンテナについて紹介をしてきました。
外観を壊さない見た目で、いま非常に人気のアンテナであり、現在では電波の受信も大幅に改善がされているようです。
上述したように、アンテナのメンテナンスが必要な時期となっているため、これを機会にデザインアンテナも検討をしてみましょう。
無料で見積もりを行ってくれる業者もあるため、ぜひ連絡をしてみましょう。
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