テレビアンテナと言えば屋根の上やベランダなど屋外に取りつけるイメージがある人がほとんどであると思います。しかし、アンテナを取り付けることができる場所は屋外に限りません。
賃貸住宅など様々な理由で屋外に取り付け出来ない場合には、室内にアンテナを設置することができます。
さらに、室内アンテナは気軽に購入することができ、工事もいりません。
「そんなに簡単なら室内アンテナにしよう!」
と思う方も多いかもしれませんが、室内アンテナは簡単に設置できる分、デメリットもあります。
今回はこの室内アンテナについて、詳しく解説をしていきます。
注意点もありますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
室内アンテナとは
室内アンテナとは、室内に設置して使えるアンテナのことです。
屋根上や外壁、ベランダにつけるアンテナとは違い、工事をせずにテレビと接続するだけで簡単に使用できます。
付属のケーブルとテレビを接続するだけで、アンテナ端子がなくてもテレビの視聴ができます。
大きさもかなりコンパクトで軽量であるため、設置に場所を取らずに自由に移動することも可能です。
屋根にアンテナを設置できない人や、部屋のスペースが限られている人におすすめのアンテナです。
ただし、室内アンテナには大きな欠点があり、それは電波を受信できる場所や条件が限られているということです。
詳しくは後述しますが、部屋のどこに置いても受信できるわけではありません。
場合によっては、受信できる場所が無いといったケースもあるため、購入する際には充分気を付けましょう。
室内アンテナを設置するメリット

電波受信の性能が劣ると言われる室内アンテナですが、もちろんメリットもあります。まずはそのメリットから見ていきましょう。
設置工事が不要
室内アンテナを設置する理由として一番に上げられるのが、工事が不要であるという点です。アンテナ端子がついていない場合でも、室内アンテナがあればテレビを観ることができます。
付属のケーブルをテレビに繋ぐだけですので、工事費用も掛からず簡単にテレビを見ることができます。
価格が安い
室内アンテナ本体の価格帯を見ると、安いもので1,000円台から購入することができます。性能が良いものでも、5,000~6,000円程の金額です。
一般的に新規でアンテナを設置しようとすると、どれだけ安くても\15,000~\30,000は費用が掛かるため、この費用を抑えることができるのは非常に大きなメリットです。
故障などのリスクが少ない
室外に設置するアンテナに比べて、室内アンテナは天候の影響を受けません。
そのため、室内アンテナは経年劣化や天候による破損が無く、メンテナンスを最小限に抑えることができます。また、万が一故障してしまっても、本体の価格はそこまで高額でないため、負担を減らすことができます。
室内アンテナを設置するデメリット

一方で室内アンテナを設置する際のデメリットについても紹介していきます。
電波の受信精度が弱い
室内アンテナのデメリットとしては受信力が弱いため、電波をしっかり受信できる条件が非常に厳しい点が真っ先に考えられます。コンパクトで工事も必要ないところが大きなメリットですが、電波が届かなくてはアンテナの意味がありません。
設置できる場所の条件は後述しますが、受信できる条件はかなり限られています。
また、受信できたとしても様々な電波や電流を感知してしまうため、通常よりもテレビのノイズや画面の乱れが多くなる傾向にあります。
テレビごとにアンテナが必要
通常設置するアンテナは分配器と呼ばれる器具を使うことで、複数台のテレビに電波を届けることができます。
しかし、室内アンテナはテレビごとにアンテナが必要となり、各部屋で電波の受信状況を確認しなければいけません。
そのため、「自宅の一階ではテレビが見られない。」「寝室にはテレビが置けない。」といった問題が出る可能性があります。
テレビが一台だけであれば問題ありませんが、複数台テレビを設置する予定の方は注意してください。
室内アンテナを設置できる条件とは?
メリットが豊富な室内アンテナですが、まずは電波をしっかりと受信できなければ意味がありません。そこで室内アンテナの最も重要な、設置する場所の条件について詳しく解説をしていきます。
強電界地域かどうか

室内アンテナがテレビ電波を受信するには、かなり強い電波が届いている必要があります。室内は壁や窓など、多くの障害物があるため、外からの電波は届きにくいです。
そのため、室内でもしっかり電波をキャッチできるよう、電波塔からなるべく近くにある場所、いわゆる強電界地域が良いでしょう。
ただし、断熱材を使用している部屋や遮熱シートを外壁に貼っている建物、鉄筋コンクリートの建物では室内には電波は届きにくくなっています。
なるべく電波塔の近く、そして建物の壁の影響を受けにくいところに設置をする必要があります。
自宅の電界地域に関しては、「一般財団法人放送サービス高度化推進協会」のHPで確認することができますが、あくまでも目安として考えてください。
参考URL:一般財団法人放送サービス高度化推進協会
またこちらの記事も参考にしてみてください。
⇒テレビアンテナの強電界地域と弱電界地域とは?その特徴や影響について解説
窓側に設置すること

室内アンテナが最も電波をキャッチしやすい場所は、やはり窓側です。
窓側であれば、コンクリートや断熱材などを避けて、電波をキャッチすることができます。
最も効率よく電波を受信するためには、窓から電波塔が見えている見えている状態がベストです。
ただし、防犯性能が高い網入りガラスなどは、電波が遮断されることがあります。
また、窓の近くに置いた室内アンテナで電波をキャッチできても、ケーブルが長くなるとテレビに届くまでに電波が弱くなることがあります。
そのためアンテナの近くに、テレビを配置するレイアウトが良いでしょう。
室内アンテナの注意点
無事室内アンテナで電波をキャッチできた場合でも、電波は繊細なため、普段の生活から注意するポイントがいくつかありますので、紹介していきます。
電子レンジや掃除機はノイズの原因になる

室内ではテレビ電波が弱くなりやすいため、様々な要因によってテレビの映りに影響が出てしまいます。特に、電子レンジや掃除機は電波に影響を与えます。
特に電子レンジは強力な電磁波を発するため、テレビにノイズが入ってしまいます。そのため、電子レンジとテレビ、室内アンテナは離して設置するようにしましょう。
また、室内の家具や生活用品などもテレビ電波に影響を与えます。
アンテナを設置している窓側に、家具などがあると電波を遮ってしまうため、できるだけ部屋をスッキリさせた状態にしましょう。
部屋の模様替えでも影響がある
室内アンテナでテレビの電波を受信している場合、少しの変化で電波の受信状況も変わってしまいます。そのため、部屋のちょっとした模様替えでも電波状況が変わり、映らなくなってしまうことがあります。
もちろん電波の受信状況が良くなる可能性もありますが、悪くなってしまった場合に元の位置にぴったりと戻すことは難しいと思います。
模様替え一つをとっても、電波は繊細であることをしっかりと覚えておきましょう。
性能の高い室内アンテナを選ぼう
ここまで室内アンテナの紹介をしてきましたが、室内アンテナは周辺の状況を受けやすいため、なるべく性能が高いものを選ぶようにしましょう。
性能の高さをどこで見極めるポイントとしては、必ず動作利得を確認することです。
電波の強い地域であれば5db程度でも問題ありませんが、電波が弱い地域では10db以上の製品を選ぶようにしましょう。
また受信した電波を増幅するブースターが内蔵されている室内アンテナも数多くありますが、ブースターが必ずしも映りを良くしてくれるわけではありません。
ブースターのみで映りが劇的に改善されるわけではなく、かえって映像のノイズも増幅してしまうこともあります。
このような注意点も確認した上で、室内アンテナを選ぶようにしましょう。
今はアンテナのメンテナンスが必要な時期
ここまで室内アンテナについての紹介をしてきました。
電波の受信条件は限られていますが、コンパクトで費用を抑えて設置できる点は大きなメリットです。
この記事をご覧になっている方の中には、新居に室内アンテナを設置する方だけでなく、アンテナの交換を検討している方もいらっしゃると思います。
実は、今この時期は、アンテナを交換やメンテナンスするには絶好のタイミングです。
それはデジタル放送への移行から10年以上が経過しているからです。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
その際に、ほとんどの家庭では地上デジタル放送用のアンテナに切り替えており、今でも同じアンテナを使い続けている家庭が数多くあります。
アンテナの寿命は一般的に約10年~15年と言われています。
そのため、もし地上デジタル放送へ切り替えを行ってからメンテナンスをしていなければ、アンテナを交換してから、少なくとも10年は経過していることになります。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、アンテナには見えないところでダメージが蓄積しており、すでに倒壊寸前となっている可能性もあります。
万が一、部品が折れて屋根から落ちてきてしまい、人にぶつかってしまったら大惨事です。
アンテナは屋外に設置されていることが多いため、普段の生活で目につくことがほとんどなく、劣化にはなかなか気付くことができません。
ぜひこの機会に交換を考えている方は、一度メンテナンスをしてもらうことをおススメします。
まとめ
室内アンテナはその手軽さが最大のメリットであるアンテナですが、テレビが映る条件は非常に繊細です。
電波塔が近い等の条件がそろっていれば、電波を受信できる可能性は高くなりますが、住宅街では電波のキャッチは難しいと考えておいた方がよいかもしれません。
部屋の模様替えや荷物の量でも電波の受信に影響を与えてしまいますので、設置する際には気を付けましょう。
自分たちで電波の強さを図るのは難しいため、もしテレビアンテナをこれから検討している方は、アンテナ専門業者に相談をしてみましょう。
電波の強さに合わせた、最適なアンテナを提案してくれます。
ぜひ、快適な受信環境でテレビを楽しんでください!
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