テレビが急に映らなくなってしまった、映りが悪くなったといった経験がある方は多いのではないでしょうか。
その場合、テレビ自体の故障の可能性もありますが、アンテナに原因があることも多いです。
アンテナは、多くの場合屋外に設置しているため、常に状態を見ていることができず、いつの間にか故障してしまったということがよくあります。
では、アンテナはどのようなことで故障をしてしまうのでしょうか?
もし原因がわかっていれば、事前に対策をしておくことで、故障を防ぐことができるかもしれません。
そこで、今回はアンテナの故障の原因と、故障に繋がるサインについてまとめていきます。
アンテナの状態をしばらく確認していないという方は、これを機にメンテナンスを考えてみましょう。
目次
アンテナの故障の原因
まずは、アンテナの故障の原因についてまとめていきます。
自然災害による故障

アンテナの多くは屋根上や外壁に設置されており、風雨にさらされています。
特に八木式アンテナはその形から自然災害の影響を受けやすくなっています。
そのため、台風などの強風や積雪の影響で、アンテナが傾いてしまったり、折れてしまうことがあります。
また、アンテナ本体は金属でできているため、雨による錆びつきや、紫外線によって劣化してしまい、故障してしまう可能性が考えられます。
鳥害による故障

こちらも八木式アンテナに多い故障の原因です。
八木式アンテナはその形状から、鳥の止まり木になりやすく、鳥害によって故障してしまう可能性があります。
鳥が数匹止まっているだけで故障することはありませんが、何度も同じ場所に止まっていると、影響が蓄積されていき、最終的にアンテナが傾いたり、破損してしまう可能性があります。
また、鳥の糞によってもアンテナが汚れ、劣化してしまうこともあります。
塩害による故障

海が近い地域では、潮風や湿気の影響で通常よりもアンテナがサビやすく、腐食しやすくなります。
多少のサビつきではテレビ映りに影響はありませんが、屋根馬やステーアンカーなどの土台となる部分は、サビつきや腐食を放置すると、転落などの大きな事故につながる危険性があります。
アンテナ自体の老朽化

天候や鳥害などの影響が少なくとも、アンテナ自体が老朽化し、結果として故障することがあります。
テレビアンテナの寿命は一般的に10〜15年程度と言われており、正しく設置されていれば耐久年内で故障することはほとんどありません。
しかし設置から10年以上経過すると老朽化が進んでくるため、メンテナンスを行っていく必要があります。
アンテナ以外の部品の経年劣化
アンテナ本体以外にも、周辺部品の経年劣化により故障が起こることがあります。
サビつきや金具の緩みで直ぐに故障するケースはありませんが、アンテナ本体に影響がないからと放置すると、アンテナの倒壊や転落などの二次災害が起こる可能性があるため、注意が必要です。
アンテナマストやステーアンカーの経年劣化
アンテナマストはアンテナの支柱である鉄材で、ステーアンカーはアンテナを支えるための固定金具です。
どちらもアンテナ本体を屋根や壁に固定するための機器で、アンテナの倒壊を防ぐために欠かせない部品です。
アンテナが傾いていたり、曲がっている場合は、アンテナマストやステーアンカーが劣化している可能性があります。
ステンレス支線の経年劣化
ステンレス支線とは、アンテナの四方に張ったワイヤーのことで、アンテナマストやステーアンカーのようにアンテナの強度を高める部品です。
主な役割としては、自然災害からアンテナの倒壊を防ぎます。
しかし、ステンレス支線に雪が積もってしまうと、ワイヤーがたるんだり、切れてしまうことがあります。
強風でテレビ映りが悪くなったり、アンテナが安定していないケースでは、このステンレス支線が劣化している可能性があります。
屋根馬の経年劣化
屋根馬とは、屋根にアンテナマストを固定するための部品です。
この屋根馬をしっかりと設置することで、アンテナを安定させることができます。
しかし、この屋根馬が劣化してぐらついてくると、アンテナの傾きに繋がります。
また、屋根に直接取り付ける部品であるため、サビによる染みができてしまうことがあります。
ブースター(増幅器)などの周辺機器の故障
アンテナ本体が故障していなくとも、ブースターなどの周辺機器の故障が原因となり、テレビ映りが悪くなることがあります。
ブースターは多くのアンテナに設置されている部品ですが、故障した場合のチェック方法が素人では困難です。
もしブースターの故障が疑われる場合には、専門業者に依頼するようにしましょう。
故障に繋がるサイン
では、実際に故障が起こる前にどのようなサインがあるのかを見ていきましょう。アンテナをチェックしているときに、以下のサインが出ていたら注意です。
塗装がはがれている
まずはアンテナの塗装が剥がれている場合です。
これはアンテナ本体の老朽化、経年劣化が進んでいるサインです。
通常アンテナの塗装は、防水加工などでコーティングされておりますが、長年の天候の影響や、鳥などによる損傷、紫外線による劣化などが原因で塗装は剥がれてきます。
アンテナの塗装が剥離すると、そこから水が染み込んでサビの原因となったり、部品の露出して劣化が発生します。
まだ軽度であれば修理のみで済みますが、もし塗装の剥がれが目立つ場合は、専門業者に相談をしてみましょう。
また塗装がはがれていなくとも、注意が必要なケースがあります。
例えば、アンテナのラベルの文字が読めなくなるほど劣化しているときは、設置から相当な年数が経過していると推測できます。
その場合は最後の点検日を確認し、10年以上経過しているときはメンテナンス検討しても良いでしょう。
部品がサビている
アンテナ本体に発生するサビが目立つようになった時も注意が必要です。
サビついている部分が素子(エレメント)で無い場合は、テレビ映りに影響がないこともありますが、サビが出ているということは、設置してから相当な時間が経過していることになります。
基本的にアンテナは屋外設置を前提に作られているため、サビにくい素材で製造されています。
しかし、塗装がはがれたり、鳥の糞などの付着物が表面を覆ってしまうと、サビが発生しやすくなります。
サビは放置していると広がりやすく、部分的にもろくなってしまうため、倒壊の原因となります。サビを発見した場合には、一度メンテナンスをしてもらうようにしましょう。
素子が露出している

上記の塗装のはがれやサビと共通していますが、アンテナで特に重要な部分がこの素子(エレメント)の部分です。
素子は、八木式アンテナについている魚の骨のような部品のことで、電波を受信するための重要な部品です。
この素子がサビついたり損傷してしまうと、テレビにノイズが入ってしまったり、上手く電波をキャッチできずに映らなくなってしまうことがあります。
この素子が劣化や損傷をした場合は、アンテナを交換するしか方法がありませんので、少しでも違和感を感じた場合にはメンテナンスを依頼するようにしましょう。
事前にできる対策
ここまで故障の原因やサインについて解説をしてきましたが、事前にできる対策について紹介していきます。
設置場所の変更
まずは設置場所の変更が挙げられます。
故障の原因の多くは、天候や鳥害などが要因であるため、屋根上に設置していたアンテナを屋根裏などの室内に変更する対策は非常に有用です。
屋根裏に設置することで天候の被害を受けないだけでなく、外観も綺麗に見せることができます。
電波の受信状況によっては室内に設置できない場合もありますが、一度専門業者に相談してみると良いでしょう。
アンテナの種類を変更する
アンテナの中でも故障が多い種類が八木式アンテナです。
八木式アンテナは電波の受信精度が非常に高いアンテナですが、その形状から天候被害や鳥害を非常に受けやすくなっています。
そこで現在は、デザインアンテナやユニコーンアンテナといった天候の影響を受けにくいスタイリッシュなアンテナが登場しており、このようなアンテナに変更するのも対策の一つです。
ただし、八木式アンテナと比べると設置費用が高額で、受信精度が劣る可能性もあるためよく検討してから依頼するようにしましょう。
デザインアンテナとユニコーンアンテナについては以下の記事も参考にしてみてください。
⇒デザインアンテナを紹介!スタイリッシュでおしゃれな最新アンテナとは
⇒ユニコーンアンテナを紹介!デザインと受信力を兼ね備えた最新アンテナ
これからアンテナの故障が増えてくる!?
さて、ここまでアンテナが故障する原因やその対策方法について解説していきました。
そして現在は、多くのアンテナでメンテナンスが必要な時期となっており、これから故障が増えてくると考えられています。
それはデジタル放送への移行から10年以上が経過しているからです。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
その際に、ほとんどの家庭では地上デジタル放送用のアンテナに切り替えており、今でも同じアンテナを使い続けている家庭が数多くあります。
先ほども少し触れましたが、アンテナの寿命は一般的に約10年~15年と言われています。
そのため、もし地上デジタル放送へ切り替えを行ってからメンテナンスをしていなければ、アンテナを交換してから、少なくとも10年は経過していることになります。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、アンテナには見えないところでダメージが蓄積しており、すでに倒壊寸前となっている可能性もあります。
万が一、部品が折れて屋根から落ちてきてしまい人にぶつかってしまったら大惨事です。
アンテナは屋外に設置されていることが多いため、普段の生活で目につくことがほとんどなく、劣化にはなかなか気付くことができません。
この機会に是非、しっかりとメンテナンスすることをおススメします。
まとめ
アンテナは普段の生活で目につくところにないため、なかなか故障や劣化に気づくことができません。しかし、アンテナは少なからず劣化していますので、これを機に一度点検をしてみてはいかがでしょうか。
大事故になる前に、ぜひ一度専門業者に相談をしてみましょう。
コメントを残す