テレビアンテナといえば、これまでは八木式アンテナと呼ばれる、魚の骨のような形をしたアンテナが主流でした。
八木式アンテナは、電波の受信感度が高いため、電波塔が少なく、電波が届きにくいところでもテレビを安定して受信することができます。
しかし、近年では電波塔の数も増えたことにより、デザイン性の高さとコンパクトな形状からデザインアンテナと呼ばれるアンテナが普及をしてきました。
デザインアンテナは、受信精度は八木式アンテナに比べると劣りますが、オシャレなデザインで人気を集めています。
そして、さらに受信精度が高く、デザインもオシャレになったアンテナがユニコーンアンテナです。今回は、アンテナの新機種であるユニコーンアンテナについて詳しく解説をしていきます。
これからアンテナを検討される方はぜひ参考にしてください。
目次
ユニコーンアンテナとは?

ユニコーンアンテナは2017年頃に販売された、比較的新しい機種のアンテナです。
ポールの形をしており、屋根や外壁、ベランダなどに取り付けます。その形から一角獣のユニコーンアンテナと名前が付けられています。
そのおしゃれなデザインに加え、従来の八木式アンテナと同程度の受信感度を兼ね備えているため、デザインアンテナと八木式アンテナの良いとこどりをしているアンテナです。
ユニコーンアンテナのメリット

ではユニコーンアンテナのメリットについて解説していきます。
景観を壊さないデザイン性
ユニコーンアンテナは、デザインアンテナと同様に景観に配慮したアンテナのデザインをしています。
そのため、アンテナが屋根の上に建っている姿が気になってしまう方にとってはピッタリのアンテナです。
カラーは基本的に黒と白の二種類で、このカラーも景観を壊さず、自宅に馴染むように設置できます。
受信精度の高さ
外観が気になる方は、デザインアンテナを選ぶことが多くありましたが、受信精度が八木式アンテナと比べると弱いといった欠点がありました。
そのため、住宅が密集している地域や電波の弱い弱電海地域の場合は、設置しても受信ができないことがありました。
しかし、ユニコーンアンテナは受信精度が改善されており、これまでデザインアンテナが設置できなかった地域や場所でも設置することができます。
耐久性の高さ
ユニコーンアンテナはその形状から、耐久性にも優れています。
まずポール上の形をしているため、風の影響を受けにくく、倒れたり傾いたりする可能性が低くなります。
また、八木式アンテナでは鳥の止まり木となってアンテナに不具合が出ることがありました。しかし、ユニコーンアンテナには止まり木になる部分がなく、鳥害を防ぐこともできるようになりました。
太陽光パネルの影響を受けにくい
近年普及が進んでおり、新しく住居を建てる方にもソーラーパネルを設置している家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、このソーラーパネルは屋根に設置することがほとんどであるため、アンテナを設置できるスペースが少なくなってしまうことがありました。
しかし、ユニコーンアンテナであれば外壁やベランダにも設置することができ、受信精度も高いため、ソーラーパネルを設置しても問題なく設置することができます。
太陽光パネルについては、以下の記事も参考にしてください。
⇒太陽光パネルが設置してある住宅にアンテナ工事は可能か?
ユニコーンアンテナのデメリット

では、一方でユニコーンアンテナのデメリットについて見ていきましょう。
アンテナ本体の値段が高い
まず、アンテナ自体の値段が高くなる点があげられます。
従来の八木式アンテナやデザインアンテナと比較すると、おおよそ10,000円~15,000円ほどの高くなる相場観です。設置をする際には、考慮しておきましょう。
工賃などについては後述していきます。
弱電界地域では設置できない可能性がある

ユニコーンアンテナは受信精度が高いところがメリットですが、一部の弱電海地域ではまだ受信できない可能性があります。
弱電界地域は、地域の電界強度を調べることでわかりますが、近くに電波塔が無いところでは、受信できない可能性もあります。
自宅の電界地域に関しては、「一般財団法人放送サービス高度化推進協会」のHPで確認することができますが、あくまでも目安として考えてください。
参考URL:一般財団法人放送サービス高度化推進協会
アンテナの精度も年々向上はしていますが、どこでも受信できるというわけではないことは確認しておきましょう。
電界地域については、以下の記事も参考にしてください。
⇒テレビアンテナの強電界地域と弱電界地域とは?その特徴や影響について解説
ユニコーンアンテナ工事相場は?

ではアンテナの交換、設置など工事に関わる相場について解説をしていきます。業者やアンテナの本体価格によって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。
ユニコーンアンテナ設置の相場
ユニコーンアンテナは上記でも既述したように、他のアンテナと比較すると高額です。
従来の八木式アンテナやデザインアンテナと比較すると、おおよそ10000円~15,000円ほど高くなるイメージを持っておきましょう。
内容 | 費用相場 |
ユニコーンアンテナ新規設置 | 約\30,000~\50,000 |
ユニコーンアンテナ+ブースター工事 | 約\50,000~\70,000 |
ユニコーンアンテナ+BSCSアンテナ工事 | 約\55,000~\85,000 |
ユニコーンアンテナ交換の相場
アンテナが劣化して交換が必要となった場合には、新規設置よりも安く抑えることができます。
まだ新しい種類のアンテナであるため、交換がすぐに必要になることは少ないですが、万が一故障してしまった場合のことを見越して、金額を確認しておきましょう。
新規設置に比べると、おおよそ半額程度の値段で設置することができるようです。
内容 | 費用相場 |
ユニコーンアンテナ交換 | 約\25,000~\40,000 |
ユニコーンアンテナ修理の相場
アンテナの向きが変わってしまったり、倒れてしまったりした場合には、新たなアンテナを買わずに修理することができます。
多くの業者で見積もりをとってくれるため、まずはいくらくらいの値段になるのか見積もりをとるようにしましょう。
内容 | 費用相場 |
アンテナの向き調整 | 約\5,000~\15,000 |
アンテナの立て直し | 約\10,000~\25,000 |
ブースターの追加 | 約\15,000~\30,000 |
分配・配線工事 | 約\10,000~ |
アンテナの撤去・処分 | 約\4,400~ |
ユニコーンアンテナの設置方法

ではユニコーンアンテナの設置方法について確認しておきましょう。こちらは自分で設置することも不可能ではありませんが、あまりおススメはできません。
アンテナ設置の作業には知識や経験が必要となり、また作業には危険が伴います。
また、必要となる工具も多く、かえって費用が高額になってしまう可能性もあります。
無理をせずに専門の業者に依頼することをおススメします。
もし自分でアンテナ設置を行う際には、こちらの記事も参考にしてみてください。
⇒アンテナ工事を自分でできるのか?DIYでの必要備品と注意点まとめ
ユニコーンアンテナには3つの設置方法があります。
- 突き出し金具設置
- 屋根馬設置
- 自営柱設置
ユニコーンアンテナの特徴に合わせた設置方法となりますので、それぞれ自宅に合わせて選びましょう。
突き出し金具設置
突き出し金具設置は、ユニコーンアンテナの設置方法でもっともポピュラーなものであり、突き出し金具を破風板や外壁に箇所に設置し、アンテナマストやアンテナを設置します。別名、サイドベース設置とも呼ばれます。
台風などの影響も受けにくく、目立たないところに設置できる点がメリットです。
屋根馬設置
この設置方法は、屋根の上に土台を建てて、そこにアンテナを設置する方法で、八木式アンテナで用いられることが多い設置方法です。
高い位置に設置することで受信精度も高くなるため、人気の設置方法の1つとなっています。
設置する際には、屋根馬と呼ばれる土台を建てて、アンテナマストを使用して取り付け、ワイヤーでしっかりと固定して設置します。
自営柱設置
電線を地中引き込みにしている家庭であれば、その電線がまとまっている柱にユニコーンアンテナを設置できます。
支柱にアンテナを設置することで、外壁や屋根に直接設置する必要がなくなり、家に穴をあけたりする必要がなくなります。
ユニコーンアンテナの取り付け方

実際のユニコーンアンテナの取り付け方について説明をしていきます。
あくまで参考ですので、取り付ける際には専門業者に依頼することをおススメします。
実際に自分の家のどこに設置するのかイメージしながら確認していきましょう。
設置する場所を決める
先ほどの設置方法から、どこが電波を受信しやすいか、どこが自然災害の影響を受けないかを考えて場所を決めましょう。
ただし、電波の受信状況や設置場所の状態によっては希望の場所に設置できない可能性もあります。
サイドベース・アンテナマストを設置
設置する場所が決まったら、外壁などに穴を開けて、サイドベースを取り付けます。そこからアンテナマストを建てて、電波を受信できる高さに伸ばします。
アンテナを設置
サイドベース・アンテナマストを設置したら、アンテナが落下しないようにしっかり固定します。その後、アンテナを仮止めして、電波塔の位置を確認しながら最も電波を受信できる角度を調整します。この際には電波の強さを測る、電波測定器を使うとよいでしょう。
アンテナとテレビを繋ぎ、映りを確認する
アンテナの設置が終わったら、アンテナケーブルを出力端子に接続し、テレビと接続します。この際、分配器やブースターが必要であれば一緒に取り付けます。
その後、テレビが映るのかを確認します。確認方法は、テレビの設定画面からアンテナレベルを確認してください。
アンテナを固定する
テレビが無事に映ったら、アンテナをボルトを使ってしっかり固定します。
この固定が緩いと、倒壊などの恐れもあるため、しっかりと固定するようにしましょう。
これから交換が必要になるアンテナが多くなる?
さてここまでユニコーンアンテナについて説明をしてきました。
すでにアンテナを設置している家庭あればわざわざ新しく交換するのも、と思う方もいると思います。
しかし現代では、これから交換が必要になるアンテナが増えてくると予想されています。それはデジタル放送への移行から10年以上経過したタイミングであるからです。
アンテナの寿命は一般的に約10年と言われており、条件によっては10年以上問題なく使用できることもありますが、安全面や画質のことを考えると10年は一つの基準となります。
日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
そのため、新しくアンテナを建ててからメンテナンスをしていなければ、交換してから10年以上経過していることになります。
問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、特に八木式アンテナは長年の雨風や雪、鳥などによる外部からの影響を受け、さび付いてしまったり、曲がってしまうなど、アンテナは多くのダメージを受けていることが多いです。
特にデジタル放送が開始された時期は、八木式アンテナが主流でしたので、劣化が進んでいる可能性は高いです。
万が一、折れた屋根から落ちてきてしまい人にぶつかってしまったら大惨事になってしまいます。
アンテナは屋外に設置されていることが多く、普段の生活で目につくことはほとんどないため、アンテナの劣化にはなかなか気付くことができません。
そのため、ほとんどの家庭で10年以上経過した今だからこそ、しっかりと点検してもらうことをおすすめします。
特に、海に近い家庭の方は、潮風の影響によってサビやすくなっており、寿命がより短くなるとも言われています。そのため、海沿いの方は早急に点検することをおすすめします。
ぜひこのタイミングでアンテナのメンテナンスを一度行い、交換が必要となった場合にはユニコーンアンテナも候補としてぜひ考えてみてください。
まとめ
さて、ここまでユニコーンアンテナについて紹介をしてきました。
外観を壊さない見た目と受信感度の高さから、いま徐々に人気が出てきているアンテナです。
上述したように、アンテナのメンテナンスが必要な時期となっているため、これを機会にユニコーンアンテナもぜひ検討をしてみましょう。
アンテナの修理やメンテナンスを依頼する際には、無料で見積もりを行ってくれる業者もあるため、ぜひ連絡をしてみましょう。
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