八木式アンテナを紹介!最も受信精度の高いアンテナについて詳しく解説

八木式アンテナについて

テレビアンテナと言えば、屋根の上に建っている魚の骨のような形をしたアンテナを想像する人も多いと思います。
このアンテナは「八木式アンテナ」と呼ばれ、日本では古くから多くの家庭に設置され、テレビ放送を受信してきたアンテナです。
昔ながらのアンテナであるため、その受信感度や性能に不安がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この八木式アンテナは現在でも需要が高く、多くの場所でまだまだ設置されているアンテナです。
今回はこの八木式アンテナについて、その特徴をまとめていきたいと思います。
是非アンテナを検討される方は参考にしてみてください。

八木式アンテナとは?

八木式アンテナ

八木式アンテナの歴史は古く、1924年頃に仕組みが作られ、1926年に特許を取っているアンテナです。
研究者の八木秀次氏からその名前が浸透しており、共同研究者の宇田新太郎氏の名前を含めた「八木・宇田アンテナ」と呼ばれることもあります。
元々テレビのアンテナとして使われていたわけではなく、最初は軍事機器のレーダーに応用できるとして注目を集めていました。
そして1953年に日本でテレビ放送が始まり、八木式アンテナは日本の屋根の上に一気に腐普及していきました。

八木式アンテナの構造について

八木式アンテナ部位紹介

八木式アンテナは反射板(リフレクター)、その前に輻射器(給電する部)、ラジエータ)、その前に導波器(ディレクター)の素子(エレメント)を並べた構造になっています。アンテナの性能はこの中でも、素子数によって決まります。

八木式アンテナの素子は、アンテナから短く出ている、魚のあばら骨のような部分となります。この素子数の本数によって、14本であれば14素子アンテナ、20本であれば20素子アンテナと呼ばれます。

この素子数が増えることにより電波の受信感度が高くなり、一般家庭で設置されているアンテナは、ほとんどが14素子アンテナか20素子アンテナが設置されています。

八木式アンテナ素子部分

八木式アンテナのメリット

八木式アンテナ_メリット

ではまず、八木式アンテナのメリットについて見ていきましょう。

リーズナブルな価格

八木式アンテナは他のアンテナと比べると本体価格が安く、取り付け工事の金額も比較的安く抑えることができます。費用を抑えたい方にとっては、選びやすいアンテナと言えます。

受信精度の高さ

歴史あるアンテナにも関わらず、受信精度の高さは現代でもトップクラスです。
そのため、いまだに多くの家庭で利用され、重宝されています。
技術がどんどん進歩している中で、現代でもトップクラスの性能を維持している当時の技術力の高さには驚かされます。
八木式アンテナは、素子数が多いほど電波をキャッチしやすく、電波が弱い地域でも電波を受け取りやすくなります。
また、取り付け場所も基本的に屋根の上に設置するため、周りに高い建物があっても影響を受けにくくなります。

八木式アンテナのデメリット

八木式アンテナ_デメリット

デメリットとしては、以下のような点があげられます。

外観に影響がある

新築外観イラスト

八木式アンテナは魚の骨のような形をしており、デザイン性のある見た目ではありません。また、屋根の上に設置することがほとんどであるため、外から見るとかなり目立ちます。
そのため、自宅の外観を気にする、こだわる方にとってはあまりおススメができません。
性能ではなく好みの問題にはなりますが、デザイン性を求める場合には別のアンテナを検討した方が良いでしょう。

天候の影響を受けやすい

台風被害イラスト

八木式アンテナは屋根の上に設置されるため、天候の影響をダイレクトに受けてしまいます。
強風でアンテナが倒れてしまう、折れてしまう可能性や、雨に長年打たれることで錆びついてしまう可能性もあります。
積雪地域では、雪が積もり、その重みで折れてしまうことも考えられます。
また、アンテナは紫外線によっても劣化してしまいます。
設置する際には、地域の天候状況をよく考えて設置する必要があり、錆防止加工や積雪に合わせたワイヤーの張り方などの工事も合わせて行いましょう。
倒れたアンテナが屋根から落ちてしまい、隣の家や人にケガをさせてしまったら大惨事です。しっかりと頑丈に工事してもらいましょう。
台風や雷、雪に関する記事は、以下も参考にしてください。
台風でテレビが映らない!アンテナの修理方法について解説
アンテナに雷は落ちないのか?落雷対策について詳しく解説
雪でテレビが映らない!テレビアンテナの雪対策について解説

鳥害の可能性がある

アンテナにとまる鳥

八木式アンテナはその形の性質上、鳥の止まり木になりやすい形をしています。
そのため、鳥の糞で屋根が汚れてしまったり、アンテナの向きがズレてしまうことがあります。
屋根が汚れてしまうのは気分の良いものではありませんので、鳥害の対策も行っておくと良いでしょう。

八木式アンテナ工事相場は?

アンテナ交換作業

ではアンテナの交換、設置など工事に関わる相場について解説をしていきます。業者やアンテナの本体価格によって相場は変わりますので、あくまで参考値として確認してください。

八木式アンテナ設置の相場

八木式アンテナは、他のアンテナと比べると安い値段で設置することができます。
新規設置の場合は、約\16,000~\35,000で設置することができるようです。
また、BS/CSアンテナ等の衛星放送と一緒に工事を行うことができるため、それぞれ単体で工事をするよりも安く抑えることも可能です。

 内容 費用相場
八木式アンテナ新規設置 約\16,000~\35,000
八木式アンテナ+ブースター 約\35,000~\40,000
八木式アンテナ+BS/CSアンテナ 約\30,000~\60,000

八木式アンテナ交換の相場

一方でアンテナ劣化などによる交換工事の場合には、新規設置よりも安く抑えることができます。
八木式アンテナは天候の影響や鳥害で劣化してしまうことがありますので、しばらくメンテナンスしていない方は、これを機に業者に相談してみましょう。

 内容 費用相場
八木式アンテナ交換 約\15,000~\30,000

八木式アンテナ修理の相場

アンテナの向きが変わってしまったり、倒れてしまったりした場合には、新たなアンテナを買わずに修理することができます。
多くの業者で見積もりをとってくれるため、まずはいくらくらいの値段になるのか見積もりをとるようにしましょう。

 内容 費用相場
アンテナの向き調整 約\5,000~\15,000
アンテナの立て直し 約\10,000~\25,000
ブースターの追加 約\15,000~\30,000
分配・配線工事 約\10,000~
アンテナの撤去・処分 約\4,400~

八木式アンテナの設置方法

アンテナ設置イメージ

では八木式アンテナの設置方法について確認しておきましょう。
こちらは自分で設置することも不可能ではありませんが、あまりおススメはできません。

アンテナ設置の作業には知識や経験が必要となり、また作業には危険が伴います。必要となる工具も多く、かえって費用が高額になってしまう可能性もあります。
無理をせずに専門の業者に依頼することをおススメします。
もし自分でアンテナ設置を行う際には、こちらの記事も参考にしてみてください。
アンテナ工事を自分でできるのか?DIYでの必要備品と注意点まとめ

屋根上に設置する

こちらは最も一般的な設置方法です。屋根の上は、他の建物に電波をさえぎられることがなく、最も電波を受信しやすい場所です。
ただし、天候の影響を受けやすい場所であるため、しっかりと対策をする必要があります。また、ソーラーパネルを設置している家庭では設置場所が限られる可能性もあります。

屋根裏に設置する

八木式アンテナは屋根の上に設置するのが一般的ですが、屋根裏委に設置することも可能です。屋根裏に設置することで、目立つアンテナが屋内に隠れ、外観を綺麗に保つことができます。また、天候の影響を受けないため、アンテナが折れたり倒壊したりする可能性が無くなります。合わせて、雨や紫外線の影響も受けないため、耐用年数も長くなります。
しかし、屋内にあることで電波が届きにくく、受信精度が落ちてしまう可能性があります。受信精度に問題なければ、屋根裏設置も検討してみましょう。

外壁への設置する

こちらも屋根上と同様に設置場所として選ばれることが多いです。
屋根上と比較すると受信精度は劣りますが、雨風などの天候の影響を減らすことができます。

ベランダに設置する

上記の3つと比較すると受信精度は劣りますが、ベランダに設置することも可能です。
壁や屋根に穴を開けずに取り付けることができるため、比較的簡単に設置することが可能です。
ただし工事が容易な分、しっかりと固定しないとアンテナの向きがズレてしまうこともあります。

これから寿命を迎えるアンテナが多くなる?

アンテナの寿命は一般的に約10年と言われています。条件によっては10年以上問題なく使用できることもありますが、安全面や画質のことを考えると10年は一つの基準となります。
そして、これから寿命を迎えるアンテナが多くなる時期に入ります。
それはデジタル放送への移行から10年以上経過したタイミングであるからです。

日本では2003年からデジタル放送への移行がスタートし、2011年7月までにほとんどの地域でアナログ放送からデジタル放送への切り替えが終了しています。
そのため、メンテナンスをしていなければ、アンテナを交換してから10年は経過していることになります。
デザインアンテナは2009年ころから発売されたため、今設置されている家庭はちょうどメンテナンスが必要な時期になります。

問題なく映っているから大丈夫と思われるかもしれませんが、特に八木式アンテナは長年の雨風や雪、鳥などによる外部からの影響を受け、さび付いてしまったり、曲がってしまうなど、アンテナは多くのダメージを受けていることが多いです。
万が一、折れた屋根から落ちてきてしまい人にぶつかってしまったら大惨事になってしまいます。
アンテナは屋外に設置されていることが多く、普段の生活で目につくことはほとんどないため、アンテナの劣化にはなかなか気付くことができません。
そのため、ほとんどの家庭で10年以上経過した今だからこそ、しっかりと点検してもらうことをおすすめします。
特に、海に近い家庭の方は、潮風の影響によってサビやすくなっており、寿命がより短くなるとも言われています。そのため、海沿いの方は早急に点検することをおすすめします。

まとめ

さて、八木式アンテナについて紹介をしてきました。
テレビアンテナの中では最も歴史のあるアンテナですが、現代でも最も一般的に普及しているアンテナです。
受信精度も高く設置する地域を選ばないため、まだまだ根強い人気のあるアンテナです。
しかし、上述したように、現在はアンテナのメンテナンスが必要な時期となっています。
多くの家庭で八木式アンテナが導入されていると思いますので、ぜひこの機会にメンテナンスをしてみましょう。
無料で見積もりを行ってくれる業者もあるため、ぜひ連絡をしてみましょう。

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